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しかし、これだけは言えると思う。それは確かに何かの衝動であって、それも感情的なものであると。過去に自分が経験した何かの出来事の記憶でもない。それらとは切り離された、自分の中にある感情的なものであると思えてくるのである。 なぜなら、見知らぬ人影が暗示し象徴するのは感情以外にないからである。自分の中にある何かワケの分からない、というよりも、ワケなど不要で関係のない、感情または情緒そのものを表現していると思えてくるのである。 感情というからには、その対象がなければならないが、それが何で誰なのか分からない、そうした感情である。かすんでボヤけたままであるが、どこかに原因や理由といったものがあるのであるが、それが現実の記憶と結びつかない、そうした対象から切り離された非現実的で観念的な記憶なのである。だからまた、ぼやけた意味不明なイメージとしてしか現れて来ないのである。 |
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