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そうして人間とのかかわりの中で、現実世界の必要な部分だけが関連づけられ、新たな意味が生み出され、理由づけされ、そうやってそれまでとは別の役割と特性を持ち始める。これが「規定」されるという意味である。 人間は、自分が生きている現実の世界によって規定される。規制され、定められ、秩序づけられる。そしてバランスされて現実の一部分になる。現実とは、このような人間と外の世界とのかかわり方である。このかかわり方によって人間の存在というのが規定される。 それは要するに「囲いの中の世界」なのである。歴史的にも空間的にも、人間は、そうした「囲いの中の世界」を生きてきたのである。それは自分というのが、外の世界と区別される自律した存在だということである。そしてこの「囲い」というのが、その境界線を成しているのである。 そしてこれを時代といって、人間は時代を超えることも、時代から離れて存在することもできない。存在し得ないのである。人間という概念が成り立たなくなるのである。 |