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4、自律性。

人間は、自分が生きている現実の条件と、その物的世界によって制約され、規制され、方向づけられている。これは必然なのであって、人間が生きて行く上での必須の、なくてはならない条件なのである。それは要するに、生きている人間にとっての、現実の条件によって人間が規定されるということである。

その生き方や、ライフスタイル、考え方や生理作用の特質といったものがそうである。歴史や社会システム、あるいは文明の経済的な存立基盤といったものも、そうである。

新たな環境とその必要がもたらした、新たな原理に基づく自律性といったものが、それまでの既存の世界と対立しつつ交流し合い、異質で自律的な新たなシステムを生み出すことになる。外の世界と自己とを区別する、境界線を持った異質なシステムが形成されるのである。


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