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3、筋道。

夢の中で、ガムテープをあまりに強く押したために、その下の文字までが剥がれて見えにくくなっている。しかしなぜ「文字」なのかというと、それは、大事なものとして押さえて残しておこうとしていたものは、「もの」ではなくて何かの記憶だからである。だから「文字」として何かしらの記憶、あるいは物語の前後の脈絡を示す符号として残そうとしているのである。

実際にあった出来事や、またそれが自分のなかで後になって思い起こすことができるような、そうした筋道や前後の脈絡としての目印(めしるし)が必要だったのである。また、そのためのキッカケや糸口になるような、何かしらの符号、あるいは何かしらの行為としての記憶が必要だったのである。

しかし、象徴だけではやはり漠然としていて、そこから入って行った後の、筋道や前後の脈絡がどうしても求められるのである。しかし、そうしたことは、あまりに現実的で具体的な事であって、夢の中ではそんな細かい記憶は残せないのである。また、自分自身でもそれが何なのかよく分からないことなのである。


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