index< 日誌 < v夢の中 <  「思い出せない記憶」p10-


 
8、常套手段

それは、自分が生きて行く上で意識してはならないもの、気にしても、見ても、知ってもならないものだったのである。だから、「夢の中」ではそれが、ガムテープできちんと押さえて、出て来ないようにしなければならなかったのである。なおかつ、それが何かというのが自分にも知られてはならないことだったのである。

そして後になって、そのガムテープを?がそうとしたところ、そこにあった文字が薄れて剥がれて、キズつき、ぼやけて、見えづらくなっていて、文字の判別がしづらくなっているのである。

つまり、記憶を大事にするとともに、その記憶自体を現実から隠そうとしているのである。そして実は、これが夢の中の常套手段というか、いつもの通常のパターンなのである。

非現実的であるとともに抽象的で、それでもなお何かを求め続けているのである。現実から切り離された、なにも永遠に変わることのない観念の世界のなかで、それを永遠に演じ続けているのである。


戻る。                         続く。



index < 日誌 index< 日誌 < v夢の中 <  「思い出せない記憶」p10-