index< 日誌 < v夢の中 <  18-005「ガイコツの夢」


 
5、痕跡。

自分というのが現実のなかで、それまでとは別の意味を持ち始めているのである。自分が過去と現在に分裂し断絶して、途切れているのである。自分というのが、何かそれまでとは別の意味を持ちはじめている。

だから、夢で見たガイコツは壊れている必要があったのであり、同時に、骨が変質して穴だらけになって、そうして何か別のものになる必要があったのである。しかしまた、この新しい「何か別のもの」というのが最後まで見つからないのである。言葉やイメージで表現できなかったのである。

言葉やイメージというのは、自分のなかですでに知られているものにしか表現し得ないのである。

だからまた、それは、壊れたイメージとか、意味を成さない場違いで、バラバラで支離滅裂な、脈絡を欠いたイメージの羅列としてしか現れて来ないのである。話の筋道やそれらの間の関連性が欠落した、断片や痕跡としてしか浮かび上がって来ないのである。得体の知れない何かの「壊れたイメージ」にしか成れないのである。

そしてまた、これが「夢」というものなのである。そしてこれが意識のしようがない、そして意識の届かない、そうした無意識の世界なのである。


戻る。                        続く。


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