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3、理由。


それは自分の中にもともとあったもので、自分からしてみれば、生まれつきの持って生まれ出てきたもの、自分がこの世に生まれる以前から、自分のものとしてもともとあったものであって、だからまたそれが、自分にとって永遠の真理で正義で道徳のように思えてくるのである。

だからまた何としても、なにがあっても、どんなことをしてもそれを守り通そうとするし、それにしがみついて離れることが出来ないのであって、そこから出て行くということがないのである。

自分が自分で無くなると思えてくるのである。また、そうやって自分が自分であり続けようとするのである。また、そうしてのみ、自分が自分であり続けることができるのである。出自という祖先からの血縁関係がそうであるし、あるいはまた、民族や国民という考え方自体がそうなのである。

そうしたことが、自分たちが何よりも信じなければならないものとなっていて、そしてまた、それが自分たちの存在理由となっているのである。自分が人間であることの証明となっているのである。のみならず、社会自体がそうして始めて、自分を社会の一員ととして受け入れてくれるのである。



戻る。                   続く。

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