index< 日誌 < u列島 < 19-016「続、いさぎよい」p6- |
しかし、外国から見るからそうなのであって、歴史的・民族的に均質化し、空間的にも狭い、息苦しいだけの島国日本においては、そうする以外に生きて行く方法がない、ということなのである。 現実の世界で生きて行けないなら――また事実、生きて行けないのであるが――自分から進んで死に行こうとするのである。現実の世界で生きて行けないので、それを精神の世界で生きて行こうとするのである。 こうした場合の行きつく場所というのは、だれにもわかりきったことであって、そうである以上、じたばたせずにキッパリあっさりと、避けられない自分の運命として受け入れようとする。 それを拒んだり、ためらったり逃げようとするのは愚かでムダなことであり、みにくくわずらわしいことであり、そうである以上、いさぎよく自分で自分を終わらせようとするのである。 |