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2、自己意識。


自分が自分のなかで、自分と対立する。そうした現実から隔離され、切断された孤独な世界である。自分しかいない、そうした自分が自分に対峙せざるを得ない世界なのである。

そうやって経験が知識となり、技能が技術へと発展し、そうして実用の経験に過ぎなかったものが、理論的な科学へと発展するのである。科学が実用から分離して、科学のための科学を目指すのである。これが純粋科学であり、ヨーロッパで発展した理性や人格、人権の基礎になっている。また、これを失くして個人というのは存在しないのである。

人間が群れとしての集団から分離・自律し、個人として自覚され、そして個人のなかで、自己意識としての自分が意識される。集団と自分との関係だけでなく、それ以前に、自分のなかで自分と自分が分裂して対立しているのである。このような自分の中での、自分自身との関係性こそが自己意識なのである。



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