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6、居場所。


また、これら排除された者は、行く先といったものがなく、社会の外の周辺を漂い、さ迷い続けるしかなかったのである。またそれ自体で何かを形成したり作り出すといったこともなく、そしてまた、そうした現実的な可能性も条件もなかったのである。

事実、中国の歴史がそうである。中華という世界の中心で、なにもせずにただ居座るだけで、歴史と文化は外から中国へ向かって集まってくるのであって、中国自体は、外へ向かって出て行くことがなかったのである。

その必要もなく、またそれが出来ない世界を生きていたのである。これは中国を取り巻く地政学的条件がそうなのであり、そしてまた、その経済的基盤としてのコメの生産様式から言ってもそうなのである。



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