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2、よりどころ。


自律した主体というのが自分にも相手にも無い以上、そうならざるを得ないのである。そしてこれが、この社会での人間関係の基本となっているのである。すなわち、上下の関係である。それが中世であれば「身分」による秩序、そしてそれが現在であれば、学歴・資格、「生まれ」、人種や性別などがそうである。そして、そうしたことが自己の拠りどころ、アイデンティティーとなっているのである。

そうした自分が、仕方なく「下の立場」に甘んじるとしても、それでも、自分よりも下の者がどうしてもいなければならない、ということなのである。自意識というのが、自分が下であり続けることに、耐えられるようには出来ていないということなのである。

自分が自分に対立する、そうした自分に耐えられないのである。言い換えると、自己意識というのが曖昧でボンヤリしているということなのである。だからまた、自分の中で自分が見つけられずに、他人との間の上下の関係の中で、自分を見い出しているのである。


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