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3、幸福。


自分の中になければならないものであるにもかかわらず、それが自分の中に無い以上、それは自分ではない他者に求められるのである。これがすなわち、偉い人、目上の者、そしてまわりのみんなの意見、ということになるのである。

すなわち、周りのみんなに合わせるということであり、だれか偉い人や「目上の者」のいうことに素直に従う、ということである。学校でも、会社でも、また、政府やマスコミも、そのように国民ををしつけて、教育し、導いてきたのである。大昔からずっとそうなのである。

そして国民もそれを素直に受け入れ、そして何もかもが上手に納まってきたのである。少なくとも20世紀後半までは・・・。そうやって、自分が悩みから解放されるとともに、悩みに触れないで済んだのである。生活が安定し、争いに巻き込まれることがなかったのである。少なくとも、そう思い込むことが出来たのである。

そうやって、自分で自分のタマシイをのぞき込まなくて済んだのである。また、自分が自分にのぞき込まれることもないのである。また、そうして自分を深く意識したり、悩んだり、考えたりすることがなかったのである。また、そうすることができたのである。そうやって悩まずに生きてゆくことができたのである。また、そうした世界を生きてきたのである。幸福とは、このことなのである。


戻る。                    続く。

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