| index＜ 日誌 ＜ am種 ＜ 19-037「観念の世界⑫続、自己意識」p6- |
| そうして、だれも悩まずに済むし、自分に曖昧なままで生き続けることができるのである。そしてまた、それがこのような世界では「求められる理想像」とされてきたのである。 だれだって、悩みなど無い方が良いのである。まして、それが自分のことになると、なおさらである。そうやって平穏無事に、いつもの自分であり続けることができるのである。そしてまた、それが自分なのである。自分が自分であり続けるというのは、このことなのである。少なくとも誰もが、そのように信じ続けているのである。 しかしまた、こうした自分というのは、自分の根源というのを他人に求めているのである。自意識というのを自分の中にではなくて、他人の中に求めているのである。そしてまた、そうである限り、自分が自分を意識する、といったことはないのである。 |