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しかしまた、実はこれ以外に、アメリカによる新しく異質な価値観の強制というより以前に、それとは別に日本人自身の中でそれが求められていた、ということなのである。「強制」以前に、もともとそうしたことが自分自身の中にあって、そしてそれが表面に現れ出てきた、ということなのである。 だから、そうしたことがあったからこそ、戦後の日本というのが、平和のうちに強力に自らを再建できたし、また、それを自分たちの価値観にすることができたのである。事実、もはや現在の日本が、戦前のような半封建的な集団主義の社会に戻ることは、どのように考えてもあり得ないことなのである。 国粋とか日本精神といったところで、日本の大多数の大衆はそれを求めてもいないし、また、支持されることもないのである。もはや、だれもが戦前戦中のようなそんな息苦しいことを望まないのである。男尊女卑や上下の関係とか、そんなわずらわしく鬱陶(うっとうしい)しいことは、だれも嫌がるのである。ウンザリなのである。 |