index< 日誌 < am種 < 19-43「観念の世界18,続、可能性」p6- |
これは、人間が生きて行く上で、本人自身がもともともっている「傾向」と、そしてそれが現実の世界の中で現れる「方向」のことを言っている。すなわち、傾向とは、もともと自分の中に備わっている、自分自身が持って生まれ出てきた「遺伝」のことであり、そして、それを可能にする現実の条件が、それを「方向」づけている、ということなのである。 つまり、傾向(遺伝)そのものは未だカタチを持たないのであって、そしてこれに現実のすがたカタチを与えるのが方向性(環境)であり、現実という条件なのである。人間は、現実世界の物的・空間的条件なしには何もできないのである。 そしてそれが方向として、もともと自分の中にあった何か得体の知れなかったものが、この現実を通して現れてくるのである。可能性とは、このことなのである。可能性とは、いまだ非現実であって、それを方向づけて現実にするのが、自分が生きている現実という環境の条件なのである |