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こうしたことは、あらゆる面で、―感覚的にも、文化的にも、経済的にも― 優位な立場にある植民者と先住民との関係、もしくは戦勝国と敗戦国との関係においても見ることができる。要するに、自らの優位な立場の延長として、その政治と文化のシステムを移植するのである。そうやって自分自身を延長してゆくのである。 そして、そのための障害になる、劣位の者のアイデンティティーを破壊しにかかるのである。体系的かつ計画的に、そしてそれとなく、それに気づかれることのないように喪失させてゆくのである。そうして人間としてもっとも大切な、自分たちのタマシイといったものが見失われてゆくのである。 そしてこれは、非常に深刻で取り返しのつかないことのように聞こえるけれども、実はそうではなくて、もともとの人類の歴史というのが常にそうであり続けたということなのである。そうやって進んで自らを変化させ、変異し続けて来たということなのである。そしてまた、それを自分たち自身のアイデンティティー・自意識としてきた、ということなのである。 |