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しかしそれは、本来的に自分とは別の者なのであって、そうやって自分のなかで生きて存在しているのであって、それがために、自分で自分を反省したり、問いかけたり、見つめ直したりできるのであって、そしてまた実際にそうしているのである。そしてまた、そうしてのみ、自分が自分たり得るし、また、自分というのが見えてきたりもするのである。自分で自分を意識したりすることができるのである。 しかし、このような自分のなかに存在するもう一人の自分、あるいは、自分の中にもともと住んでいた、いわば「先住民」としての、潜在的な隠れた無意識の世界といったものは、いったいどこから来たのだろうか。あるいは、このような必然性や自律性といったものは、一体どこにその根拠があって、また、いったいどこから来ている者なのだろうか? それは無意識の、意識されざる自分自身の肉体の感覚であって、条件反射の世界である。そしてまた、数万数億年に渡る何らかの条件反射の繰り返しが、無条件の反射となって、自分自身の身体のなかで自律した営みとなっているのである。恒常的な心臓や呼吸器官の営みがそうである。また、「自律神経」の働きがそれである。それは自分のなかにあって、自分の意志とは別の、独立し、自律したシステムなのである。 |