index< 日誌 < c信じるもの < 19-47「T、正義」p4- |
自分のなかで自分が分裂しているのである。まわりの他人とは別のところで、自分の考えというのを持っているのである。まわりのみんなとは違うことを考えているのである。従って、まわりのみんなから見ると、こういう人間は信用が出来ない人間なのである。 こういうどこか違う人間は、自分で自分を意識し、そして自覚しているのである。しかしまた、それに気づかないというのは、自分で自分を意識することがない、そういう人間のことなのである。自分のなかで自分に気づくことがないのである。自分というのが、自分のなかでしっかりと自覚されていないのである。 自分自身の中で、他人と区別される自己の自律性が意識されていないのである。自分自身の中で、自己の内的同一性に気づいていないのである。要は、そうしたことを知らなくても、気づかなくても何ら差しさわりなく生きてきたし、生きて行くことができる、そうした世界を生きてきたということなのである。 |