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要するに、自分の中で自分を意識する、そうした自己意識というのが抜け落ちているのである。そうである限り、本当の自分というのは見えてこないのである。見えず、気づかず、知ることもないのである。 これは言い換えれば、本人自身の考えがないのと同じであって、だからまた、自分自身の考えや感覚も曖昧(あいまい)なのであって、そしてそれは、他者の中に求められる。その方が楽(らく)だし、だれもがそうしてきたのである。 すなわち、自分以外の権威と常識と習慣の中に、それが求められるのである。そして、これが自分の考えであると誤解し勘違いしているのである。それが自分にとって、もっとも都合のよいように解釈されて、また、そうした都合のよいものばかりが集められてきて、自分が有利なように正当化してゆくのである。 |