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3、記憶。


くり返し言うと、現実というのを短い瞬間で見た場合、それが生理や神経作用の変化として見えてくるし、そしてこれを、数万数億年という非常に長い歴史的な変化の結果として見ると、それが身体構造の変化や、神経組織の感覚器官への分化・特殊化として現れ、そしてそのように見えてくるということなのである。

しかしまた、それだけに止まらない。それは、そうした自分自身の肉体の中の記憶と結びついている。ただたんに自分が経験したことだけでなく、むしろそれ以上に祖先の、あるいは「種」としての歴史的な記憶が、自分の肉体という現実のカタチとして現れているのである。肉体とは、そうした「種」としての記憶のカタチなのである。

そして、このような肉体の記憶が、夢や無意識の世界を作り出しているのである。あるいは、より根源的には、自分自身のなかの神経や生理の作用の特質として、保存されてきたのである。

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