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5、わすれもの。


もちろんそれは、文献や遺物からではない。それは、自分自身が生きている暮らしのなかで、見ることも確かめることもできるものなのである。またそれは、そうした自分自身の中にしかないものなのである。また、自分自身のなかで見つけるしかないものなのである。

そしてこれが、自分自身の感覚の「感じ方」なのであり、作法や習慣として今も残っている存在の仕方なのである。そしてより直接的には、自分自身の無意識の世界の中で押し寄せてくる、得体の知れない気配いや、自分でも理解不可能な、不可解で不思議な自分自身の感覚の「感じ方」の世界なのである。

そしてそれが、つまり、自分自身のなかの「失われた記憶」の世界なのである。そして、これがもっとも直接的で確かな自分自身の証明なのであり、根源ともなっているのである。

戻る。                  続く。

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