index< 日誌 < as同一性< 19-66「感覚の中」 |
しかしそれは、自分の中に住む、自分とは別の者なのである。そしてそれが、自分で自分を反省したり、問いかけたり、見つめたりしているのである。そしてまた、そうしてのみ、自分が自分であり得るし、自分というのものに気づいたり、納得したりしているのである。 しかし、このような自分のなかに存在するもう一人の自分、あるいは、自分の中にもともと住んでいた、いわば「先住民」としての、潜在的な隠れた無意識の世界といったものは、いったいどこから来たのだろうか。あるいは、このような必然性や自律性といったものは、一体どこにその根拠があって、また、いったいどこから来ている者なのだろうか? それは無意識の、意識されざる感覚の世界であって、条件反射の世界である。そしてまた、数万数億年に渡る何らかの条件反射の繰り返しが、無条件の反射となって、自分自身の身体のなかで自律した営みとなっているのである。 |