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5、でっちあげ。


そうである以上、自分が自分であるためには、どうしてもその「証明」を求めなければならない。それを、相手から認めてもらわねばならない。そうでないと、それは現実のものと言えないからである。

これが上下の関係であり、「偉い人」と「偉くない人」との区別なのである。いや、むしろそれは、偉くないどころか、蔑み、つるし上げ、つまみ出して、排除しなければならない、そうした自分よりも下の人間が、どうしても必要なのである。

これは原理であって、そしてまた、必然なのであって、また、この社会が維持され継続して行くための必須の条件なのである。そしてまた、そうやって始めて、「自分たち」などという概念が成り立ち得るのである。

だからまた、「自分たちでない者」というのが、どうしても、なんとしても、そしてまた、イチャモンでも、でっち上げでも、嘘でも偽造でも、何でもよいからとにかく、どうしても必要なのである。無理やり、作り出さねばならないのである。自分が誰よりも一番下の、底なしに哀れな人間ななりたくないならば、自分よりも下の者が、どうしても必要なのである。

戻る。                  続く。

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