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3、借り物。


自分と「自分たち」は仲間であり、そうであるためには、「自分たち」でない者がどうしても必要なのである。このような、上に向かっての上下の関係と、横方向での公平・平等という世界を生きている。

もちろん、これは偽善であって、なぜならそうした感覚こそが、「自分たちでない者」という排除を作り出しているからである。そしてこれは必然なのであって、そしてまた、どうしても必要なことなのである。

だからまた、「個人」というのが理解されず、自己意識というのがなく、そしてまた、人格もプライバシーも、何かワケのわからない借り物であったり、滑稽で怪しいものにならざるを得ないのである。

そうして、自分というのがどこにも存在しないのである。また、そうである以上、「自分たち」という世界から抜け出ることがないのである。そして、どこまで行っても、個人としての自分が見つからないのである。そうした世界を生きている。

戻る。                  続く。

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