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2、空想。


このような文明という閉じたシステムを、人間は生きている。あるいは、現実や時代という概念自体が、もともと閉じた世界なのである。人間は、このような文明、またはシステムの閉じた囲いの中を生きているのであって、そして、この囲いの出たところに人間は存在しないのであって、そしてまた、人間としての意味を持ち得ないのである。

人間の意識や感覚、また、その感じ方、そしてその思考パターンに到るまで、さらにその創造物や空想や幻想さえもまた、この現実という囲いの中でこそ意味を持ち得るのであり、この現実を通してのみ表現され、そしてまた、この現実の中でこそ生みだされ得るものなのである。

人間の空想が空想たり得るのは、こうした現実の中においてこそ、そう言えるのである。空想の素材も、その物語も、そしてその表現方法もまたそうなのである。この現実という、文明のシステムの中でこそ、それが空想であり得るのである。

このシステムから離れたところに空想は成り立ち得ず、存在もしないのである。空想の中身を成す素材も、カタチも、人も、物も、風景も、すべてはこの現実という社会の中にのみ存在しているものであり、それを基に、そこから空想の物語が始まっているのである。

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