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そしてまた、自分がそうしたフツーの当たり前の人間であろうとする限り、「下の者」を踏み台にしなければならない、そうした世界なのである。生きて行くためには「踏み台」が必要なのである。 自分よりも下の者がいてこそ、自分というのが、みんなと同じフツーであり得るのである。そして、このフツーでないというのは、この世界では人間ではないのである。 もちろん、だれもが決してそんなことは言わない。しかし、だれもが決してそれに近づかないし、かかわらないし、知ろうともしないし、見てもいないし、自分でも気づかないようにしているのである。つまり、それは誰からも相手にされない人間なのである。 表面上はみんなと同じでも、実態は誰からも無視される存在なのである。つまり、このような「みんな」というのは、だれもがそうなのだということである。また、そうである限り、何も見えることがないのである。 見えない方がよいし、見えないようにしているし、見ないようにしているのである。それも、自分でもそれが気づかないように、本能的・直感的にそうした生活のスタイルを作り上げているのである。 |
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