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5、選ばれた人間。


しかしまた、そうしたことは、現在の会社組織や公務員、それに人間同士の間でも多かれ少なかれ言えることであって、そうやって組織としての集団が方向づけられ、導かれているのである。多かれ少なかれ「強制力」というのが必要なのである。

そもそも、自分の自意識というのが曖昧で、自分自身の考えというのが無いなままで、それが組織という全体としてまとまって行くためには、何らかの有無を言わせぬ強制力が必要なのであって、これがすなわち「権力」なのであって、組織内部の指揮系統がそうであり、そのための上下の関係であり、規律であり、序列なのである。

能力がない以上、このような人間が生きて行くためには、あるいは、他人からの圧迫から逃れ出るためには、何らかの権威や権力と結び付かざるを得ず、それに媚びつらって生きて行く。そうするしかないのであって、また、そうすることで自分が、何でもどんなことでも出来るし、それが許されるのである。

そしてまた、際限なく出世して行くことが出来るし、そして、そうした自分こそが利口で賢く、誰よりも頭の切れる人間であると、思い込むことが出来るのである。後ろで自分を権力が守ってくれる限り、たしかにそうなのである。

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                  続く。

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