| index＜ 日誌 ＜ c信じるもの＜ 19-79「自分たちⅦ」p5- |
| 要するに、自分の考えというのがないのである。自分で自分を意識する、そうした自己意識というのが、自分の中にないのである。だからまた、すぐに迎合するし、迎合するだけが取り柄（とりえ）になっていて、そしてそそのかされるのである。 それ以外の生き方を知らないのである。知ってもならず、知らないで生きて行ける、むしろ知らない方が生きやすい、そうした世界を生きているのである。また、そうである以上、自分で自分を意識したり、自覚するといったことがないのである。自己意識が欠落しているというのは、このことなのである。 そうして、常識といったものが、常に自分の外から入ってくる。自分が信じている正義や道徳といったものが、そうなのである。しかしそれは、常に他人からのコピーに過ぎないのである。 自分のなかから、自分自身の考えや、良心でもってそれが理解されるということがないのである。また、それを意識することも、自覚されることもないのである。自分で自分に悩むといったことが、どこまで行ってもない、そうした世界の住人なのである。 |
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