index< 日誌 < c信じるもの< 19-82「自分たち\-b」p6-


1、不運。


そうした世界を生きる人々にとってみれば、だれにもそれが不公平だとも、差別であるとも思えないのである。思うことができないのである。たとえそれが差別であると感じたとしても、それがだれにも、どうにもならないものである以上、それは仕方のないこと、偶然の不運なこととしてしか思えないのである。

そうとしか、思いようがないのである。現実に、どうにもならないことについて、人間は感情的になったりしないのである。それは、不合理で理不尽な「差別」などではなく、だれにもどうにもならない不運や不幸、自分が持って生まれてきた宿命のように思うのである。

それ以外にないのである。それ以外に自分を納得させあきらめさせる理由というのが、どうして見つからないのである。そうである以上、それは自分ではどうにもならない宿命や運命なのである。

履歴へ                   続く。

index < 日誌 index< 日誌 < c信じるもの19-82「自分たち\-b」p6-

l