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しかしまた、才能もコネもカネもない人間にして見れば、そしてまた、何の取り柄もない普通の人間にして見れば、そうすることだけが自分を守ってくれるのである。それ以外に生きて行く方法がないのである。 これは習慣なのであり、シツケであり、日常なのであって、幼いころからそのようにシツケられ、学校でも社会からもそのように教えられ、教育されてきたのである。特に優れてはいないけれども、そこそこ賢くて、おとなしく、親や先生、上司からももてはやされ好まれる人間とは、そういう人間なのである。 これは、そういう時代だったのである。そしていまも多分に、そうした残り香みたいなものを引きずっているのである。社会全体が、特に政府やマスコミや学校教育といったものが、そのように仕向け、導き、誘導し続けてきたのである。かしこい生き方、かしこい人間というのは、このような人間を指しているのである。 |
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