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1、信じるもの。


何もしないこと、現状を維持すること、何も変えないこと。これが自分にとっての安全で安心できる状態のことのように思えてくる。こうした状態が、自分が自分であり続ける条件のように思われている。永遠に変わることがない自分というのが本当の自分、自分が自分であることの証明のように思えてくるのである。

そうである限り、すでにある関係、そしていままでもずっとそうであったような自然な関係としての親子の関係、すなわち、家父長制が当然の不変のものとされる。そしてこを基にして、兄弟姉妹、友人知人、そして会社や上司との関係が理由づけられ理解もされてくる。

また、こうした生まれつきで先天的な自然な関係は、変えようのない不変のものであって、それだけにこれが当然で自然なことのように思えてもくるし、またそれは、人間のだれもが共通に持っている変えようのない関係でもある。

すなわち、だれにとっても受け入れられやすく、わかりやすいものとなっている。またそうである以上、人間同士が何かを共同でしようとする場合、もっともわかりやすく、共有される共通の考え方、価値観の基になるものでもある。人間同士をまとめる強制力の手段にもなるということである。

そうやって、大多数の人間がそれに従い、それによって利益を受け、そしてまとまり、社会を成立させてきたのである。そしてその名残りは現在もいたるところで見ることができる。

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