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3、よそもの。


どこにいても常に自分で自分を見失いそうになっている、そうした非常に危うい人間なのである。現実の世界に自分の居場所がない以上、そうならざるを得ないのである。それはつまり、非現実、非日常、非常識な人間なのである。

それはまた、社会の側から見ると異分子、異人種、よそ者、ワケのわからない正体不明の人間なのである。それは周りのみんなから見ると、「自分たち」ではない人間なのである。「自分たち」という秩序を破壊する人間なのである。

しかしまた、公平に言って、このような「よそ者」でしか、自分たちを外の世界から見るということが出来ないのである。自分を他人として感じたり見るといったことが出来ないのである。しかしまた、そうして始めて、自分と自分たちの本当のすがたというのが見えてくるのである。

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