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5、客観的条件。


これを例えば衣服について見ると、素材として獣皮・羊毛・綿・絹などがあるが、もしもそうした物がなければ、現実にあるもの、現実に調達できるものを利用するしかないのであって、それに替わるもの、代用できるものでそれを満たして、利用するしかないのである。そしてこれがまた、その民族固有の表面的な特徴ともなっているのである。

こうしたことは衣服に限らず住居や武器、容器などの道具についても、そのまま言えることである。そしてもちろん、民族としての気質やライフスタイル、それに使用方法の違い、またそれに伴う耐久性や地理的気候の条件なども関連してくるのである。

たとえば、樹木の少ないアフリカのサバンナでは土で家を作り屋根のみを植物性の枯れ枝や草などで覆っている。中国北方のゴビ砂漠近くの万里の頂上は、天日干しで成型した現地の土レンガでもって築いている。

あるいは、北方のシベリアからアイスランドにかけての極寒冷地帯の雪と氷しかない所では、氷でもって壁と屋根をこしらえて自分たちの住み家としている。あるいはまた、熱帯のジャングルで住む民族は、当然、草や樹木で家をこしらえている。

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