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3、馴れ。


なにかのどうでもよい偶然の、自分の中にあった機能といったものが、その永い歴史の繰り返しによって、またその結果として、その「機能」そのものが新たな身体と、生態系としてのカタチを作り出してゆく。馴れのくり返しといったものが現実のカタチを作りだしているのである。

しかしまたそれ自体が、それまでの自分とも、そして周りの者とも違う自分というものを作り出してもいる。自分を自分として、自分と他者の間に境界線を作りだしてゆく。自分が周りと異なる者として、自分自身の自律性を持つに至るのである。

環境の変化に伴う生活のパターンの変化といったものが、人間が生きて行くための方法を変化させるとともに、その結果として人間の身体的特徴までも変えて行く。いつの間にか気づかないままで、自分の中にすでにあったものが、それまでとは全く別の意味と役割を持つに至るのである。

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