index< 日誌 < s設定 < 20-28 「記憶」p8-


5、サイン。


それらの出来事や情景の印象を成り立たせている条件や背景といったものがそうなのである。すなわち、文化や習慣であり、そしてまた、自然条件といったものもそうなのである。

しかしまた、実は、そうしたことが人間にとっての無意識の世界なのである。意識や思考以前にあって、その背景になっていて、そしてそれを生み、成り立たせている条件や枠組みの実体を成しているのである。

そうして、このようなことが、人間をして外の現実世界に対する、一つの全体としての印象、それらに共通する「象徴」のサインや符号のようなものとして迫ってくるし、思えてもきて、そうして無意識のうちに記憶の中に残ってゆくのである。漠然とした、自分でも何か言い表しようのない、カタチなき記憶として自分を縛り続けているのである。

戻る。                      続く。

index< 日誌 < s設定 < 20-28 「記憶」p8-