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2、運命。


こうした世界では、歴史上の時間というのが、諸王朝の成立をゼロ年として、そこから時間が数えられる。歴史そのものが、今ある王朝を中心にして、それを基にして、それだけが唯一正統な王朝として、それまでの他の王朝がまとめて解釈されている。

あるいはまた、発生と消滅をくり返した古代の中南米の諸帝国もそうである。同じことの繰り返しの、非常に歴史意識の希薄な世界である。そしてそれが当然で仕方のないもの、逆らうことが許されない運命とされた世界である。

それ以外の何かになるというのが出来ない、そうした世界である。そしてこのような現実から離れたところに、自分の居場所というのが存在しないのである。

戻る。                    続く。

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