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3、事例。


たとえば、丈夫な木材が豊富であれば、それでもって住居や道具を作る→南アジアと東アジア。  加工しやすい石、たとえば石灰石が豊富であれば、それでもって住居を作る→南部ヨーロッパ。  あるいは、乾かしてカタチにしやすい粘土が豊富であれば、それでもって住居を作る→中国東北部、およびアフリカ。といった具合である。

現実の世界に生きる人間は、現実にあるものを材料や道具にして、自分が必要とする様々なものを作り出してゆくのである。何かを作るというのは、現実に何もないところからは作れないのである。

ものとしての材料や素材が必要であり、そしてそれ以前に、それを知り、意図し、計画し加工する能力が人間自身になければならないのである。それは「もの」というよりも文化であり、経験であり、習慣であり、そしてまた、祖先から受け継がれてきた気質や習性なのである。

まさにこうしたことが、新しい異質な環境の下で、自らの必要を満たして行く主体的な条件となっているのである。

戻る。                     続く。

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