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4、偶然。


従って、このような主観的条件と客観的な環境とが相性が良い場合と、悪い場合とが当然あり得るのである。もちろん、合う場合もあるが、それは偶然というものである。人間の主体的な意欲や能力や意図とは無関係な、偶然の成り行きによって支配されているのである。

しかし要は、そうした外的条件、環境や自然条件、習慣や社会システムにも拘(かか)わらず、人間は生きて行かなければならない。つまり、人間は変わらなければならない、ということなのである。

違う異質な材料や素材でもって、それまで満たしてきた自分たちの必需品といったものをまかなって行かなければならないのである。生きて行くというのは、このことなのである。そうする以外に、生きて行く方法が閉ざされている、ということなのである。自分が変わる、自分がそれまでとは何か別の者になるというのは、このことなのである。

戻る。                     続く。

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