| index＜ 日誌 ＜ al境界 ＜ 20-32「見え方」p9- |
| こういうわけで、現実に見えているものが必ずしも、その通りであるとは限らないのである。見えているそのままのすがたが、真実の本当のすがたであるとは限らないのである。むしろ現実は、それとは別の世界なのである。 見えているものの世界と、それを見ている人間の見え方の世界とは、まったく別の世界なのである。それは、自分自身の中のイメージの世界を見ているのに過ぎないのである。 たしかに客観的事実としての現実は、まぎれのない事実であって、人間の思い込みや主観でどうにかなるというものではない。しかしまた、人間はそうやって少しづつ現実世界への理解を深めて行くのである。自分の外の現実と、自分の中で再現された「現実」を照合し、確かめているのである。 そうやって自分を確かめて行く以外にないのである。自分自身と外の世界との違いと、その境界線を確かめているのである。つまり、自分で自分を見ているのである。また、そうした自分自身というものの主体性と必然性を感じとっているのである。自分はだれで、自分の存在が何であるかを確かめようとしているのである。 |
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