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暗く湿気て奥まったところ。井戸の中。行き止まり、底なし、見えず逃げ場のない谷間の底。先の見えない洞窟。動けず、動いてもならない、そうした孤立した世界。 まわりが見えず接触もなく、交流もない、そうした自分の中の自分だけの閉じた世界。自分と外の世界の区別がない。自分が外に同化して消えて無くなっている。自分が見えない。自分を失っている。 暗いというのは、自分と外の世界との境界線があいまいなのである。自分と他者との区別があいまいなままで、自分の中に閉じ込もっている。または、自分がこもって閉じているのかどうかも、自分で識別できない状態である。 他者、あるいは自分の外の世界を意識出来ないのである。自分と他者の間の境界線が無くなっていて、自分と他者が区別できずに一体になっていて、自分というのを意識できないでいるのである。自分というのが見えなくなっていて、思いのまま何でも、どんなことでもできると思えてくる。 しかし、自分を意識出来ないから、結局なにも出来ないのである。要するに、自分が見えないし、だれからも見られていないのである。バレないし、何をしても許される、だから、どんなことでもやり始める。 世の中での自分の居場所というのが、不明のままで見失っているのである。自分で自分をかえり見ることも出来ないし、その必要もない世界なのである。 |
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