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6、傾向。



人類共通の、そしてまた同時に、それぞれに異なる特徴といったもの。たとえば共通する火の使用と、そしてそれに伴うまったく異なる着火の方法といったもの。あるいは言語の使用と、その異なる発声方法と文法がそうであり、そして文字についてもそうである。

それらはまったく異質で異なる言葉であり文字であるにもかかわらず、それが言語であり文字であるということにおいて、共通しているのである。そしてこうしたことは、他のすべてについて言えることなのであって、衣服や住居、道具についても、あるいは社会システムについても、そのまま言えることなのである。

それは本人自身の中にある文化の記憶と、そして与えられた現実の客観的条件によって決定される。そしてそうしたことが個性やオリジナル、そして彼らが生きている具体的な現実となって現れているのである。あるいは、それが彼ら自身の「傾向」なのである。

要するに、これが方向性といったものなのである。それぞれがまったく異なる経路を辿(たど)っているにもかかわらず、それらが目指す行き着く先がそうなのである。また、それらの間に共通して見られる傾向といったものがそうなのである。

戻る。                    続く。

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