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7、勘違い。


従ってまた、道徳的観念といったもの、正義やオキテやシツケといったもの。そうした本来自分の中にあって、自分自身の良心となるはずのものが、その実、自分の外からの「借りもの」となっている。

表面だけをむりやり外からかぶせただけのものとなっている。なにか根本的なところで勘違いしていて、そうした自分の外の世界から呼び寄せた、仮のイミテーションの世界を自分の良心と錯覚しているのである。

自分のなかに何もないからそうするしかないのであるが、まことに仕方なく、それしかなく、そうするしかないので、そうなってしまうし、そうせざるを得ないのであるが、しかしそれを、自分自身の良心と思い込んでいるのである。それは自分のなかで、自分自身が反省し、自分自身の良心として獲得されたものではないのである。


戻る。                       続く。

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