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このような閉じた世界の中にあっては、自分の上昇の機会というのが、ほとんど無いという条件の中で、それは同じ世界の内部での上下の関係の奪い合いとしてしか、表現され得ないのである。それ以外の上昇の舞台というのが用意されていないのである。それだけが数少ない、残されたほとんどただ一つの上昇と出世の可能性だったのである。 そうである以上、それは上下関係の絶対的な固定として、そしてその強制力としての既存秩序の正当化・神格化、そしてこれこそが正義として、そして道徳のあり方として強く求められたのである。 その社会の秩序と行動の規範(モデル)がそうであるし、頭の中の観念の世界がそうであるし、日常の生活のスタイルがそうなのである。そうである以上、それが、すなわち上下の関係こそが、人間にとって何よりも大切で守らなければならいオキテ、シキタリ、タブーとなっているのである。 |
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