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6、幸福。


人間というのが集団として群れて行って、そしてその中で何らかの人間関係を持ち始めるのである。そしてそれがたいていの場合、人間同士の間の上下の関係として現れる、ということである。

人間というのが一人では弱く、団結して生きて行こうとするのだから、それは仕方のない当然のことである。他人にすがって生きて行こうとする以上、他人から指図され命令されるのは仕方のないことなのである。そしてまた、それは自分が願い求めたことなのである。

わずらわしく面倒くさいだけの、責任だらけの自由を捨てて、他人のドレイなる方が気楽だし、そして自分にとっても安全で安心なのである。他人が自分を守ってくれるし、そしてなによりも、自分で自分のことに責任を負わなくて済むのである。

この方が自由などよりも幸福なのである。そうして恐ろしい外の世界を見ないで済むのである。そうして自分で自分を放棄しているのだから、それはそれで、苦しみも悩みもないシアワセな世界なのである。


戻る。                      続く。

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