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たとえば、通行不可能な山脈によって、外から切り離された内陸国はどうだろう。そこで生きる者にとっては、何もかもがその中で解決して行かなければならないのである。 それ以上のことを考えることが出来ず、またそれは、考えることの出来ないことであって、できないことを考える必要もなく、自分でも知らないことを想像することも出来ず、そうしてその範囲の中で、何もかもが解決されて行くのである。そうするしかない世界なのである。 このような限られた空間的条件といったものが、人間関係といったものを固定化するとともに、その中での上下の関係を必然のものにし、そしてその上下の地位と立場といったものが、そこで生きる者にとっての自意識を作り出している。 もちろん、空間的に孤立していると言っても、そこからの脱出が可能な世界であれば、そうした孤立した空間に執着することなく、あるいは勇敢にそれを打破する方向へと突き進むこともある。ルネッサンス初期の大航海時代がそうである。もちろん、そうしたことも条件次第なのであるが・・・。 |
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