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7、正義。


しかしまた、このような地理的に閉じて、歴史的に固定したままの世界というのは、それ自体が、その中で上下の関係を作り出しやすく、そしてまた、そうしたシステムといったものが、いったん外へ自分を見い出そうとするとき、それが非常に有利な条件として作用することになる。

つまり、集団として団結し、組織的・意図的・計画的な行動を可能にするのである。要は、隔離され、行動が限られているということが、純粋培養に近い状態を作り出していて、そしてそのなかで、純粋性や画一性・均質性をつくりだしていて、そしてまた、意図的で意識的な正義や、そのための価値観や商品の規格量産を可能にしているのである。

性格や考え方、行動の形式といったものを共通化しやすくしているのである。これは考え方だけでなく、行動の型としての生産と消費の規格量産にもそのまま言えることであって、そうしたことが近代的な思考と行動のスタイル、すなわち、理性に基づく合理と効率を優先する世界を作り出したのである。要するに、迎合しやすく群れやすい気質となって現れているのである。


戻る。                      続く。

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