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10、習わし。


異質なものを、異質なものとして尊重しつつ生きて行く、というのが出来ないシステムに問題があるのである。もともとそれが、出来ないように出来ている、ということが問題なのである。

だからまた、そこに生きている者にとって見れば、そう思わなければならないし、そう思うしかなく、そしてまた、そのように思えてくるのである。そして実際、このような存在そのものに、災いと諍(いさか)いの原因があるのである。

こうしたことを、自分自身の内的世界から見てみると、個人というのが自律していないということであって、そしてまた同時に、個人と集団との間の自意識の境界線が曖昧で自分と他人とをきっちりと区別できずにいるのである。きっちりと区別しては生きて行けない、そうしたシステムの世界を生きているのである。

自分が生きてきた習わしと習慣、歳時記やその儀礼、シツケとそのオキテから離れて生きて行けないように出来ている、ということなのである。システムだけでなく、自分自身がそのように出来ているということなのである。自分自身の中の無意識の世界がそうであるし、感覚と生理の特質がそうなのである。


戻る。                       続く。

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