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自分を客観的に見ることが出来るというのは、自分のなかで、自分と自分とが互いに対立しているということである。すなわち、外から自分を見ている自分というのは、自分の中で自分を見ている自分自身のことなのである。自分の中で自分が分裂しているのである。 そしてその結果として、自分のなかで自分を見つけることができるようになったのである。まるで、自分が他人のように思えてきて、そうして外の別世界から自分自身を振り返って見ることができるようになったのである。精神が肉体から離れて、自分のすがたを覗?のぞ?き込んでいるのである。 自分で、自分の心の中を見ることが出来るようになったのである。相手を「知る」というのは、実のところ、自分で自分の心の中を見ているのである。このような何かが自分の中になければ、相手を知ることは不可能なのである。相手を知ることが出来る何かが、自分の中に無ければ、それは不可能なことなのである。 自分の中の他人を通して、外の現実の他人を感じているのである。それは自分のなかの、もう一人の自分を通して他人としての相手を見ているのである。だからこそ、それが理解もされるし、意識もされるのである。分裂した自己を通して、それが見えてくるのである。見たくも、知りたくも無いのに、それが意識されてくるのである。そうした自分に気づかされるのである。 |
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