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3、同じ類。

たとえば自分が、何かを相手の中に見ているとすれば、それは、自分自身の中でそれを「見る」ことが出来る何かがあったからなのである。そうした何かを自分のなかで、自分自身が意識し自覚しているのである。そして、それが無ければ何も見えて来ないし、理解もできないということなのである。

これはひとことで言って、人類の「類」としての同一性から来ている。つまり、人間が住む場所や時間が異なっていても、それに一人一人のすがたが多少異なっていても、その中身は、人類という同一のシステムを採用しているという、同類であるというところにある。

従って、他人の行動や表情から、その他人の心のなかを、自分の心を通して、あるいは自分の中で自分流に変換された、行動や表情の形式で感じることができる、ということなのである。そうしてそれを知り、また多少とも理解することができる、ということなのである。

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