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3、どこへ。

これを視点を変えて、別の言い方でもって表現すると、人間は、現実の世界をとおして、それとは何か別の世界を見ている。自分にとって忘れられた過去の記憶の世界を見ている。または、見ようとしている。

あるいは、現実に存在する何かの目印しやその痕跡から、あるいはまた、何かの得体の知れない印象や暗示から、自分にとって別世界、自分が知ることななかった異質で未知の世界を見ているのである。

たしかに何か得体の知れないものを感じてもいるし、見てもいる。なにもそれらしいものが見えないにもかかわらず、である。なにか目に見えないものを見ているし、感じてもいるのである。なにかを感じ、それへと導かれ、いやおうなく引き込まれ誘われて行くのである。

自分でもどうにもならない、自分自身の中にある、なにか得体の知れない正体不明の不可抗力によって、自分が導かれたいる。自分でもコントロールできない、そうした絶対的な強制力によって導かれている。そうした自分は、それ以前のところで何かを求め、指向していて、あらかじめ方向づけられているのである。もともと、そのように設定されていたのである。



戻る。                     続く。

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